キャンプにカレーはいいけど、ド定番すぎてもう一捻りしたい、うーん、じゃあエビカレーにするか？いやいや結局カレーだし、もう一捻り…と考えていたあなたにオススメなのが今回ご紹介するクレオール料理です！
アメリカ南部、ジャズの街ニューオーリンズで有名なルイジアナ発祥という、日本からは距離的にも文化的にも遠いところのお料理ですが、今回ご紹介する「クレオール風エビのトマトソースライス」は日本でも手に入りやすい食材で作れます。
ハーブの独特な香味が特徴の料理なので、キャンプでいきなりどーんと作る前に、ご家庭でちょっと家族に食べてもらって、反応を見てからの方がいいかと思います。もしキャンプで口に合わなくて、「これしか食べるものないよ…」ってなるとテンション激落ちですからね。ちなみにウチでは小学生の子供が一番喜んで食べてました。大人の味と思ったのに…。私もおいしく食べましたが、好き嫌い多めの嫁さんは、「ハーブの香りが苦手…。」と言っておりました。
目次 - Contents -
クレオールとは？
アメリカ南部、ルイジアナ州発祥の料理です。源流はフランス料理ですが、スペインや西アフリカ、ハイチ、そしてアメリカ先住民などの料理の影響を受けています。
なんでそんなにいろんな国の影響を受けたのかを知るには、かつて奴隷州であり、植民地でもあったルイジアナの歴史を知る必要があります。
16世紀ごろ、フランス人がこの地に入植しました。ルイジアナという名前は、フランス国王ルイ14世にちなんでつけられました。
ジャズの街としても知られる同州最大の都市、ニューオーリンズ(New Orleans)も、元はフランス語で、「ラ・ヌーベル・オルレアン(La Nouvelle-Orléans)」と呼ばれていました。「ヌーベル」は英語の「ニュー」を意味します。「オーリンズ」は、フランス語の「オルレアン」の英語読みだったんですね。
その後戦争により、イギリスとスペインがルイジアナを支配するようになりました。
しかしアケイディアといわれる、今のカナダ東部ノヴァスコシア地方からフランス系の移民がやってきて、スペイン政府もそれを歓迎し、受け入れました。
この頃、奴隷貿易が盛んに行われ、多数のアフリカ人がルイジアナに連れてこられました。
1800年、フランスのナポレオン・ボナパルトが、ルイジアナをスペインから奪還しましたが、わずか3年後にアメリカに1500万ドルで売却しました。この頃にはハイチ革命の影響で、多くのハイチ系移民がニューオーリンズに流れ込みました。
このような複雑な歴史と共に多くの人々がルイジアナを訪れ、長い年月をかけて独自の料理文化、クレオールを形成していったのです。
余談ですが、「怪談」などの著作で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は日本に来る前、ニューオーリンズで10年ほど過ごしており、クレオール料理に魅せられたようで、そのレシピをまとめた本(復刻版 ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本)まで出しています。
材料 3人前
エビ(ブラックタイガーやバナメイなど) 今回はブラックタイガー9尾
コンソメの素(固形) 2個
トマト缶(カット) 1缶
白米 3合
セロリ 1本
ピーマン 1個
玉ねぎ 半分
小ねぎ 1本
バター 60ｇ
水 250㏄
薄力粉 大さじ1
にんにく 2片
ベイリーフ 2枚
タイム 小さじ1
砂糖 小さじ1
塩 適量 (無塩バターの場合)
あらびき黒胡椒 適量
レッドペッパー/カイエンペッパー 適量
作り方 / レシピ
下準備
野菜
玉ねぎ、ピーマン、セロリ、小ねぎ、にんにくは全てみじん切りにします。
エビ
殻、背わたを取り、片栗粉、塩、水少々をボウルに入れ、こすり洗いします。その後、流水ですすぎます。こうすることでエビがプリッと仕上がります。
薄力粉とスパイス
薄力粉、タイム、レッドペッパー(カイエンペッパー)、あらびき黒こしょうを適当なボウルにまとめて入れます。辛さに対する好みは個人差が大きいので、ここではレッドペッパーは少な目にしておいて、あとから足すのがお勧めです。
フライパンまたはスキレットに投入
バターをフライパンまたはスキレットに入れて温めて溶かし、野菜を炒めます。玉ねぎが半透明になってきたら、トマト缶、上記の薄力粉とスパイス、ベイリーフ、コンソメの素を入れます。最初はトマト缶の水分が多いので、多少減ってから水を入れます。
たまにかき混ぜながら、20分ほど弱火で煮込みます。
ベイリーフを取り除き、エビを入れ、火が通るまで2分くらい引き続き煮込みます。
砂糖を入れてかき混ぜ、トマトの酸味を和らげます。入れすぎると甘くなるので注意。ご飯にかけ、お好みでみじん切りにした小ねぎを振りかけて、はい、できあがり！
まとめ
クレオール料理は、小泉八雲も愛したルイジアナ州の伝統料理。フランス、スペイン、西アフリカなど様々な国の料理の影響を受けている。
クイックレシピ
- 玉ねぎ、ピーマン、セロリ、小ねぎ、にんにくをみじん切りにする。
- エビの背わたを取り、皮を剥く。ボウルに薄力粉、塩、水を少々入れ、もみ洗いする。
- 薄力粉、タイム、レッドペッパー(カイエンペッパー)、あらびき黒こしょうを適当なボウルに入れる。
- フライパンまたはスキレットにバターを入れて、温め、野菜を炒める。
- トマト缶、ベイリーフ、コンソメの素、3．を入れる。
- トマト缶の水分が減ったら水を入れる。たまにかき混ぜながら、20分ほど弱火で煮込む。
- ベイリーフを取り除き、エビを入れ、火が通るまで2分くらい引き続き煮込む。
- 砂糖を入れてかき混ぜ、トマトの酸味を消す。
- ご飯をよそい、小ねぎを振りかけて完成。
キャンプに行く前の仕込み
全て自宅で調理可能なので、現地で調理しないという選択肢もありです。ソースとご飯をそれぞれタッパーか何かに入れて、現地で加熱すればできあがり。
もし現地で調理するなら、1.から3.の下準備だけして、容器に入れて持っていけば早いです。