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富士山登山に挑戦
6月、遠くから富士山を眺めると、雪もだいぶ解けてきた感じだ。天気予報を見ると、二日後からは梅雨入りなのか、ずっと雨マークが続いている。これはもう、行くなら明日しかない、と富士山登山を決定した。自分は登山の経験は浅いが、毎週ランニングと筋トレはしているので、何も運動をしていない人よりかは体力はあると思う。ヤバくなったらすぐ撤退、と決めて、行けるところまで行ってみることに。
車で富士宮口五合目へ
朝、車で子供をバス停に送って、そのまま一路富士宮口五合目へ。実は僕、高いところが苦手で、五合目へ向かう途中の道は、標高が高くなると崖っぷちを走るようになり、車でもけっこう怖い。
そしてやっと五合目の駐車場に到着。標高は2,400m。着いてから気づいたが、ここは死んだばぁちゃんを連れて観光に来たところだった。ババのご加護があらんことを。この時点で確か9時15分くらい。いきなり登り始めると高山病になるから、1時間くらいは時間を潰せ、とネットに書いてあったので、その辺をうろうろしてみる。工事のおじさんたちが何人かいて、トイレを修理しているようだった。観光で来ている人もちらほら。しかし人数のわりに、車の数が多い。これはみんな登山に行ったということか、と思って山の上の方を見上げるが、人影は見えなかった。
登山開始
登山道の入り口は、バリケードで封鎖されており、「通行止め」と書いてある。これはいったいどうやって入るのか、とうろうろしてみる。バリケードを強行突破するのだろうか?駐車場をよく見ると、端っこの方には何もないのに、車が多く停められている。これは何かあるのだろうか、と思い行ってみると、ブルドーザーの通り道らしきものがあった。どうやらここから登るようだ。しかし行ってみるとかなりの急坂なうえ、土が柔らかく足を取られやすい。少し登っただけでもう息切れ。先が思いやられる。しばらく歩くと登山道と合流した。
その後は登山道に沿ってひたすら登り続ける。大小の溶岩石で、けっこう歩きにくい。道はかなり急だ。
服装は失敗だった
今回の登山で、一番の失敗は服装。前回3月に、水ヶ塚のハイキングに来た時、気温が0度程度で残雪もあり、かなり寒かった。確か標高は1,200m程度。今回はその倍以上の標高を上るのだから、寒いに違いないと、ネットを参考に選定。下はタイツ、トレッキングパンツはないのでその上にスウェット、雨が降るといかんと思い、さらにレインパンツ(しかもGore-Tex!)。上は、重ね着が基本、肌着に綿素材はNGとネットに書いてあったので、夏用の速乾肌着、その上に冬用の化繊の肌着、GAPのネルシャツ、そしてL.L.Beanの防寒レインジャケット。そしたら、歩き始めて15分くらいで、もう暑い暑い。途中でジャケットを脱ぎ、それでも暑いので、ネルシャツも脱ぎ、冬用肌着丸出しで歩くことに。それでも暑い。
六合目
しばらく登ると、六合目に到達。標高2,490m。ここにも通行止めのバリケードが。しかしすぐ右側から回り込めるようになっていた。六合目には山小屋が二つあって、雲海荘と、宝永山荘というらしい。 ここまでなら、登山の準備のない観光客でも登れそうだ。
その後もしばらく登山道に雪はなかったが、新七合目の手前でついに雪渓に行き当たった。初雪渓、いや、中学生の時に登った白馬岳にあったかな?とにかく緊張。アイゼンなし、トレッキングポールなし。でも足跡からしてほかの人もアイゼンはつけてないようだった。ベテランからするとつけるほどでもないということか。
滑ると怖いので、足跡の上を慎重に歩く。するとここで問題。疲れ果ててペースが落ちまくってる人が前にいて、「お先にどうぞ。」って言ってくれるんやけど、怖くて足跡以外のところを踏めない。最初は「ゆっくりでいいですよ。」と言って、後ろを歩いていたが、やっぱり遅い。その人が再び立ち止まったところで、「すいません。」と言って恐る恐る追い越し。
そしてこの雪渓、なぜが人が集中する。今までほとんど誰にも会わなかったのに、今度は上から人が下りてきた。でもその人はベテランぽくて、トレッキングポールも持っていて、さっと道をあけて、「どうぞどうぞ」と譲ってくれた。「この先も雪ですか?」と聞くと、「ところどころね。その靴じゃ滑りやすいかもねー。」と、俺の靴をチラッと見て教えてくれた。さすがベテラン。知らんけど。
新七合目
やっと雪渓を抜けると、今度は山小屋の方へ横へ移動しないといけなくなっていた。ちなみに横へ移動することを登山用語でトラバース、というらしい。そしてリュックはリュックとは言わず、ザックというらしい。そしてここも雪渓。足跡に沿って歩くが、下り斜面の雪がさっきより長く、むしろこっちの方が怖い。途中で戻ろうかと思い、後ろを振り返るが、怖くてUターンできないので、下を見ないで進むことに。雪渓を抜けると新七合目の山小屋。滑らんでよかった。
この山小屋、御来光山荘というらしい。標高は2,795m。
元祖七合目
今から振り返ると、この雪渓が最大の山場だった。そのあとは再びひたすら登り続ける。
次は元祖七合目。新とか元祖とかなんやねん。この何合目というのは、実はけっこう適当なようだ。
元祖七合目の標高は3,030m。遂に3,000m突破。山小屋は山口山荘というらしい。
元祖七合目を抜けたあたりから、斜面が急になってきた。下を見下ろすと、下界は曇って見えないが、それでもけっこう怖い。もうかなり疲れた。今まで一回座ってちょっと休憩しただけで、あとは立ち止まって休んだだけ。というのも座るのに適当な大きさの岩がなかなかない。八合目の山小屋を下から眺め、時計を見ると12時前。12時にはあの山小屋につけるかなぁ、と頑張って登り続けた。
八合目
やっと八合目に到着。標高は3,220m。山小屋の名前は池田館。外国人5、6人のパーティが休憩していた。時計を見ると12時10分くらい。登り始めたのが9時45分くらいだから、2時間半くらいで来た計算だ。これが早いのか遅いのかわからないが、途中二人に抜かれ、二人抜いた。僕が抜いたのはいずれも年配の方だった。僕を抜いたうちの一人は、ものすごい軽装で、トレッキングポールもピッケルもなし、靴は登山靴というよりトレランシューズみたいなので、ザックはザックというよりナップザックみたいなので、スタスタと登って行き、あっという間に見えなくなった。あれで山頂まで行ったのだろうか。
下山開始
山小屋のすぐ上はこれまたけっこうな雪渓だった。これ以上はこの装備、というかなんもない、では厳しそうやし、時間的にも厳しいので下山することに。コンビニで買ってきたおにぎりを二つ食べて、ちょっと休憩して下山開始。それにしてもけっこう疲れた。下山がだるい。
八合目の山小屋から上。残雪が多くてとても登れる気がしない。
気づいたが、登山時は体力的にきつく、下山時は精神的にきつい。集中してないと滑るからだ。最初は怖くて恐る恐る降りていたが、途中から慣れてきて、半ば砂利道を滑るように降り始めるとペースも上がった。
再び新七合目
そして再び問題の新七合目直下の雪渓。まずは山小屋からのトラバース。怖いので山側に手を付きながら移動。それから下りの雪渓。見ると前方に、さっき八合目にいた外国人パーティが。
怖いので登り同様足跡を辿って下りる。しかしここで再び問題発生。前の外国人パーティのうちの一人が、怖いのか、お尻で滑りながら下り始めた。これを登山用語で尻セードというらしい。そのせいで、途中から足跡がなくなってツルッツルに。ワシどないせえゆうねん…。ますます怖いが、滑らないようかかとで思いっきり雪を踏み、さらにYoutubeで見た登山の先生がやっていた指ピッケルを参考にして、右手に手袋をはめて雪の上につきながら何とか無事雪渓を通過。それにしても装備もしっかりしてそうだったので、世界の高峰を股にかけるベテランパーティかと思ったらそうでもなかった。
ところでこの雪渓、よく見ると歩くところより下の雪は10メートルもなく、万一滑っても大した怪我はしなさそうだ。
無事五合目に帰還
その後も滑らないよう集中して下山。無事富士宮口五合目に戻ると、2時半くらいだった。
いろんな人がいました。
今回が初めての富士山だったので、人間観察もしたが、登るスピード、装備は千差万別。でも大体みんなトレッキングポールは持っていた。ピッケルの人は二人いた。ズボンは大体みんなトレッキングパンツだったが、スウェットで、しかも裾を折って、短い靴下履いてくるぶし丸出しで登っていた人もいた。トレランスタイルは一人だけだった。肌着で登っていたのは僕だけだった。富士山には、都会以上に多様な人がいることが判明した。
あと、山小屋はまだ全部閉まっており、トイレもないせいか、登山者は男性ばかりで、女性は一人しか見なかった。
というわけで初めての富士山登山(八合目まで)でした。次回は山頂目指すぞ!
周辺エリア情報
道の駅
世界文化遺産
- 富士山域(山頂の信仰遺跡、富士宮口登山道、須山口登山道、須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮富士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖) (山梨県)
- 村山浅間神社 (静岡県)
- 山宮浅間神社 (静岡県)
- 冨士浅間神社 (山梨県)
- 吉田胎内樹型 (山梨県)
日本の滝百選
- 音止めの滝 (最大落差:25m、富士宮市)
- 白糸の滝 (最大落差:20m、富士宮市)
百~三百名山
- 愛鷹山 (標高:1504m、二百名山)
名勝や史跡、天然記念物など
- 躑躅原レンゲツツジおよびフジザクラ群落 (天然記念物 、富士吉田市上吉田)
- 印野の熔岩隧道 (天然記念物 、御殿場市印野)
- 吉田胎内樹型 (天然記念物 、富士吉田市上吉田)
- 船津胎内樹型 (天然記念物 、南都留郡富士河口湖町)
- 神座風穴 附 蒲鉾穴および眼鏡穴 (天然記念物 、南都留郡鳴沢村)
その他のエリア情報
- JA御殿場 道の駅 すばしり (静岡県駿東郡小山町須走338-44)
- JA富士宮 山宮朝市 (静岡県富士宮市山宮1575)
- JA御殿場 富士山 樹空の森 (静岡県御殿場市印野1350-15)